対馬市で毎年8月に行われる祭りで、江戸時代に朝鮮から日本に派遣された使節・朝鮮通信使の行列を再現している「朝鮮通信使行列振興会」(永留晃会長、41人)が、地域文化の発展に貢献した個人や団体に贈られる「サントリー地域文化賞」を受賞した。
同会によると、通信使は江戸幕府の将軍交代時などに外交使節として日本を訪問。対馬藩が江戸までの案内と警護を担当した。会は地元住民らが1980年に設立。行列の様子を描いた絵巻を元に衣装を作り、パレードを始めた。
毎年8月の第1土、日曜に開かれる「厳原港まつり/対馬アリラン祭」の行列には、市民ら約400人が参加。韓国側からも正副使のほか、舞踊団や高校生の音楽隊など約60人が加わっており、約3万人の観客でにぎわうという。
対馬の取り組みを受け、通信使が立ち寄った他の地域でもパレードが行われるようになり、同会のメンバーが指導に赴くこともある。韓国・釜山での祭りにも対馬藩士姿で参加しており、「日韓友好の歴史を再認識させ、新たな交流を推進している」と評価された。
会の行列は今年で30回目。山本博己・同会顧問(46)は「当初は島民の間にも韓国への差別意識が残っていたが、最近は理解が広がった。今後は島外にも、日本と朝鮮半島が交流を深め、争いのない時代があったと伝えていきたい」と話した。
サントリー文化財団は79年から毎年、計5件を顕彰しており、今回は32件から選ばれた。県内の受賞は2年連続3回目。副賞として200万円が贈られる。読売新聞

